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 手のひらの海に、汐はまた満ちる。それまで待とう、死ぬのは。(皆川博子『ひき潮』より) ―――吉川楡井の狂おしき創作ブログ。

-週刊 楡井ズム-

   
カテゴリー「作品:【千文字の饗宴】蒼」の記事一覧

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『夏への扉』

[解題]
テーマは、脱力感、だったのか。
タイトルからハインラインのあれを思い出すというか、モロ意識しているが、それといえばこれ、である、冷凍睡眠というガジェットをさも適当に並べ立てた。『エターナル・サンシャイン』なる言及もあり、無論『ニューシネマ・パラダイム』と同時期に書いた作品である。酷くアニメ的だなあ、と今は思う。NHKとかでやってる一分ぐらいのアニメ。
小説としてはどうか、なんて愚問だろう。



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『ATOMOS』

[解題]
宇宙ものを書くと、『空飛ぶマタドール』(宇宙ものというか宇宙人もの)だったり、『銀河の夏、ニッポンの夏』だったり、いまいち地上から離れないものが多い。
王道の宇宙ものということで、もちろん某SF、否、某特撮をモチーフとしている。
それが何か。ひとつはすぐに思いつくだろう。放射能といえば、あれである。それではもうひとつなにか。
放射能といえばのあれ、によく似た、あれ。
某特撮の記念すべき最初の一歩である。まあ、気にする必要性は皆無だけど。





『空飛ぶマタドール』

[解題]
本作、『哀しき玩具』、『即興詩人』、『三日月のはしご』、『鴉の末裔』……。
これらは随分前にタイトルと着想だけが頭にあって、いつか掌編にしようと画策していたものたち。所詮、一発ネタだから1000文字にしようということで今の形に。けれども思っていたものと異なる様相になるのは当然で、中でも本作はマイナスな方向に傾いている。
つまりは、テキトー。
より都市伝説的に、X-FILE的になるものと踏んでいたが、何がどうしてこうなったのかはそのときのテンションだろう。それ以上語っても、本作の世界は広がらない。それもまたいいところ。




『トワイライト・ゾーン』

[解題]
タイトルは外国の某TV番組のままだが、内容にはさして影響がない。本家にあるようなものをイメージはしたが、あまり見たことがないので、それも雰囲気である。
構成としてはよくあるパターンで、『夢で逢えたら』や『ニューシネマ・パラダイム』と根源は同じである。
今思えば、『侵蝕』はこれの語りなおし、あるいは正当な続編とも呼べるかもしれない。
蒼穹か黄昏の違いだけで。




『1/10000 for you』

[解題]
テーマは悪魔の発明。だから、背中に羽根がある。けれど、天使ではない。
1000文字小説を書き始めて間もない頃に書いたもので、後の『脳を漬ける』を彷彿とさせる手触りだが、適当さは『空飛ぶマタドール』に匹敵するだろう。
どれもこれもいわゆるショートショートを意識したものである。





『混沌の神の創り方』

[解題]
実を言えば、1000文字を書く前、超短編という名義で作品を書いていた頃、その処女作は本作だった。つまり『レッドキングの結婚』よりも早い段階に生まれていたということである。小生は、かねてより井上雅彦氏のショートショートに触れて育っていたので、単語の羅列だとか抽象単語の海嘯などはむしろベーシックであったから、本作などで単語の羅列がどうとか感想を持たれるのが意外だったことを覚えている。
全体的に怪奇色が強めだが、ある種の神SFとして視る、というのは聊か迎合が過ぎるが、誕生のプロセスが重要なのであって、人間の尊厳などはその糧にあるという構成上、空想のカテゴリーが相応しいのではないかと思う。
ちなみに、我が実家は、今も未だ汲み取り式便所である。そういう環境が身近にあったからこそ来迎した異形の神だ。




『しろすけ』

[解題]
夏休みといえば『となりのトトロ』か『火垂るの墓』。『火垂るの墓』テーマはもう『供物連鎖』とかで書いている。ならば、『トトロ』……そんな風にして着想に及んだわけではない。
イメージソースは『地獄先生ぬ~べ~』のケセランパサラン登場の回。
最後の「おしまい。」をどういう風に取るかでこの作品の意義も変わってくるし、存在にも関わってくるだろう。宿題に追われる小学生の頃に戻って考えれば、少しは真の姿を捉えられるかもしれないが、実は作者である自分も分からないww




『脳を漬ける』

[解題]
文体の長閑さは意識したものながら、脳を漬けるという着想自体は楡井ズムの枠をはみ出していない。だって脳を漬けるんですよ。幾らでもエログロに出来るじゃない。それをこんな形にしたのはそれが最適だからという一言に尽きるが、『短編』向きに書いたと言ってもいいぐらいのアンチユニークさなので冒険の甲斐があったということだ。
さて、脳とは人間の最も身近にありながら最も研究の追いついていない部位になる。この作品こそ無駄なことを考えず楽しんでもらいたいのだが、脳を俯瞰する・脳を漬ける=発酵させるetc.ストーリー上の論理で遊びながら読むと、ドグラ・マグラ的な恍惚に浸れるのではないかと思う。
心残りはアナザーエンドの存在である。本作をはじめとして初期の作品はケータイで執筆している。大体の作品、その最終稿はすべてPCに移動済みだが、アナザーエンド部分のみケータイ(しかも故障したもの)の中に封印されたままである。今回を機会にお披露目したかったが、そのためにはauショップに行かなければならないので、アナザーエンドよりもこっちの方が断然面白いとだけ付加して逃げる。いずれまたの機会に。






『細君分裂』

[解題]
着想だけがあった物語を認めようとすると、オチの付けかたに難儀する場合がある。本作がそう。加えて、タイトルも定まらないと来れば難産も難産。紆余曲折あり、このような形に落ち着いた。
いわゆる作中の方程式が成立しているかどうかは不確かである。これで正しいのか、作者としても結論づいていない。だが愛情というものが教科書を持たぬ以上、言及は無意味だと悟る。
ちなみに妻の増殖は作者の願望ではない。当然ながら。






『ボタニカル』

[解題]
ボタニカルと題すると、“じゅせ~~~い(受精)”で有名な『ビーストウォーズリターンズ』のボタニカを連想するのだが、それはまた別の話。
着想の大元は作中でも言及されている通り、平成ゴジラの中でも地味ながら特異な存在感を放つ植獣ビオランテである。よって作中の娘の名は英理加とでもしておこう。
作品そのものの評価はアレながら、ビオランテ自体の造型は非常にフェイバリット。欧米B級ホラーチックな植獣形態のゴツさも良いが、花獣形態のおぞましさと来たらもう……興奮!
特に芦ノ湖に立つ場面は薔薇の造型からして耽美であり驚々しい、日本人ならではの鳥肌感覚に襲われること必至。
本作は着想こそビオランテの換骨奪胎だが、その辺の怪奇色を含めなかったのは意図ながらも心惜しいものが。けれども移植バンクならぬ植物バンク、植物人間ならぬ植物人間を描いた、お気に入りの娘である。






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性別:男性
職業:虚無員



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