手のひらの海に、汐はまた満ちる。それまで待とう、死ぬのは。(皆川博子『ひき潮』より) ―――吉川楡井の狂おしき創作ブログ。

-週刊 楡井ズム-

   
カテゴリー「作品:【千文字の饗宴】蒼」の記事一覧

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『天使はそこにいるのか』

[解題]
テーマは心霊理論。冒頭の一文、それが作品のすべてを物語る典型。思索小説の類になるのは書く手前から気がついていたが、思ったほどではなかった。幽霊を脳の幻影と解く赴きはエセ科学界、残留思念とする赴きもまたトンデモ科学界にはあるものの、心霊理論として用いるには力不足かもしれない。主人公の精神の浄化(カタルシス)は、理論を手放した瞬間であり、苦悶の果てに行き着いた作者の諦観に因るものである。






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『電脳夜伽』

[解題]
テーマは未来妖怪。この作品のような着想を持つと、電脳と怪談のバランスに苦しむことになる。理知的に傾けど、幻惑的に傾けど、失敗する。本作は決して精巧(成功)とは言えないが、性交としては云々。
コンピューターの情報共有がカニバリズムに繋がるのはさして珍しくもない話。性交が食欲と繋がるのもまた普遍的なもの。その三すくみが融合すればこんな感じになる。ただし、相手がザシキワラシなだけに性交の意味合いは抑え目にしてある。





『《魔美ちゃん》のビー玉』

[解題]
テーマは蒐集家(コレクター)。小生のコレクションを並べれば、エログロだったりアンソロジーだったりRAP MUSICだったりウルトラマンだったりB級ホラーだったりビックリマン2000だったりビーストウォーズだったりデジモンだったり枚挙に暇がないが、藤子・F・不二雄フリークでも負けない。よって人物名は……皆まで言うな。Sukosi Fusigiな世界観。作中の少年たちの年代によって、読み方も変わるかもしれない。



『浸蝕』

[解題]
mixi内での企画、“空が青い。”からはじまる1000文字小説のため書き下ろしたもの。大いなる自然を目の前にしたとき感じる超現実感をランドスケープ・シンドロームと個人的に呼んでいる。安土萌のショートショートの(個人的には)不朽の名作『海』のあの感覚を違った形で現出出来ないかと考えた次第。海なら空でしょう、というただそれだけ。人物たちの態度はまさしく超現実(シュール)です。




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プロフィール

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性別:男性
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