[解題]
『エコーエコー』らと同じく震災直後に書いた作品群の一。こちらもタイトルが先にあり、それぞれに対応する鹿などのガジェットは後天的に生まれたものである。作者として思うのは、どこか『火の鳥』のイメージが重なること。とはいえ、造形ではなく、物語としての彩についてだ。人々の営みを俯瞰する存在は、拙作によく登場するものの、本作では幻想として否定されるところが珍しいか。火の鳥のイメージは『水の不死鳥』に継承されたが、本作はフィクションの敗北を予期するものとなってしまった。
また、この頃から作品の情報量が増えた。情報に毒された、と云うべきか。
http://r0bot21th.edoblog.net/Entry/543/『空と風と水と』