女を檻に閉じ込めてみたいので、檻から造ることにした/檻の格子に手を嵌めさせて、女に臀部を突き出させる/萌黄色にチェックの入ったスカートを捲くし上げ、ひ弱な腰履きに指をかける/引きちぎって、曝け出された女の和毛もない柔肌に、爪で痕をつける/肉が震える、その感触を、掌でしかと味わったのち、股の付け根に埋もれた襞と縦穴に触れる/蕩けだした液が、陰毛の隙間に肌理細やかな泡を立たせて、ぱくぱくと餌を欲しがる/糞まみれの青バナナは、女の穴より幾らか太い/躊躇いがちに、少しずつ押し付けると、腰を引き攣らせながらも、女は、女の下口は、ずずずとバナナを頬張っていった/女がうううと呻き声を上げたのは、檻の外にはっきりと月が
「どうじゃ、ケンの調子は」
「すごい才能ですよ。こりゃあニュースになる」
「隠れて文学賞に送ってみたらどうじゃ。もっと騒ぎになる」
「そりゃ名案だ。てことは、許可していただけるのですね」
「うむ。最新作を見て決めよう」
ぼくはツバメ/羽根に穴のあいたツバメ/巣立ちから間もなく野良犬に噛みつかれて、傷ついたツバメ/風に乗ることも、羽ばたくことも出来ないツバメ/道端に落ちて、ひょいと持ち上げられた掌はあたたかくて、ぼくは眠ってしまった/気がつくと、狭苦しい部屋のなかで横たわっていた/「おかあさん、ツバメが起きたよ」/男の子が覗き込んでくる/ぼくは男の子の膝のうえに座る/きいこきいこ……/男の子は車椅子/両足が両足ともそっぽを向いている/人間の言葉は分からないけど、足が不自由なのだと分かった/「僕はずっと歩けないままなんだ」/男の子が言う/ぼくはある朝、男の子が目覚めるのを見計らって、翼を広げた/穴が開いてても飛べる/それを伝えたくて、羽根をふった/ぼくの体は重く床に落ちる/羽根を濡らしたのは、男の子の涙だった/よかった、車椅子を置き去りにして、君は歩けたんだよ/ぼくを助けるために。
「こちらにケンくんがいるのですね」
「ええ。ケン、入るよ」
私は実験のためにPCを与えられた/世の中の汚らしい、それでいて蠱惑的な女体、殺戮、拷問、鬼畜なるさまざまな行為が私に閃きを与えてくれる/女の肉を食らいたい/体液を啜り
ケンは手早くデータを保存し、ワープロソフトを閉じた。
「こちらが動物園にすむ天才作家、ケンくんですっ」
アナウンサーの声に意気揚々と、PCの前でバナナを頬張るオランウータンがいる。
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