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 手のひらの海に、汐はまた満ちる。それまで待とう、死ぬのは。(皆川博子『ひき潮』より) ―――吉川楡井の狂おしき創作ブログ。

-週刊 楡井ズム-

   

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異議申し立て だが力なき者は地に平伏す

タバコ増税。


世知辛い世の中になりました。



以上。




というのも味気ないので。




今ね、TVでね、あれですよ、心霊映像なんたらのスペシャル番組がやっておりまして。
見たわけですよ。まあ、中身は新しくこんなん作りましたけどどうでっしゃろ的な感覚で、作り物感満載のランキングばかりで辟易。
といってもブラウン管の我が家のてれびくんのせいなのか、暗い箇所に浮き出た心霊もどきの八割がうまく見えなかったのも理由のひとつなんですがね。


もっと何とかなんなかったのか。


思うに、心霊映像なんてものは出オチですから、ばーーーんと出せば良いわけで、そういう意味では作り物感満載でも、意気込みとか技巧が感じられればそれなりにうなづけるんですが。


素人にも作れる、というか素人が作ったとしか思えない映像ばかり放送されても、しかもこの年の瀬にこういうTVタックル絡みで特番がやるのは定番なわけですからね。もっと金を使って欲しかったです。


いやいや、中には本物も混じってるかもしれませんのでこんなことをいうのは罰当たりかもしれませんね。とだけ言っておきます。





僕自身は肯定派ですから、逆鱗に触れるのはまずいということで。


臆病者の意見はそこまでとして。





やっぱり視覚的なものの方が恐怖を感じるというのは是至極当然なことで、おそらく小説という分野と映像という分野の差は、以後ますます広がっていくことでしょう。小説にとって表現の限界はなくても文字で綴られているという事実は永劫変わらない(ヴィジュアルノベルなんていうサブカルチャーはおいといて)わけで、映像技術が発達すればそれこそリアルに表現できることは可能。無論、映像にも画面を通してという制限があるわけですが、映画『リング』によって画面が窓へと変貌するという現象が定義づけられた現代においては、画面も薄いフィルターに過ぎないのかもしれません。
そんな時代において、恐怖小説がいわゆる恐怖を全面に押し出すには、それこそ文章表現だとか内容によって現実との橋渡しをせざるを得ない。そもそも恐怖小説での恐怖はそのほかの媒体での恐怖とは一線を画すものではないか。
その違いとは何かといえば、お話として怖いか否かではないか。
たとえば星新一氏の『殺人者さま』だって、小松左京氏の『くだんのはは』だって、お話として怖い。それを読んで、想像して怖い。
でも映像ではそうもいかない。前述のとおり、映像は出オチなのです。出たら終わり。見たら終わり。想像する余地などなく、実際に見ているのだから存在しているのも当然。幻覚? 脳の悪戯? でも、視認しているのだから想像は無意味。
これはいわゆる一昔前(?)のジャパニックホラーの定義と似ています。
かねてから海外でのホラーは見せて当たり前。見えるから怖い。
一方、日本ではぎりぎりまで見せない。想像力をかきたてる。
もちろん海外古典にもジャパニックホラーの系譜に繋がるものは数多製作されているので、一概にその定義で区分けできるのかどうかは分かりませんが、結局これがそのまま小説と映像の異文化にそのまま当てはまる。
というのも、これには訳があって、日本には怪談という文化があり、一般的なジャパニックホラーは怪談の作風をそのまま映像に置き換えたものだからというわけ。怪談は日本特有のものではありませんが、西洋文化大好きな日本がいち早く映画による怪談の確立に至ったのは言うまでもないこと。どちらかといえば韓国の方が上質なホラー映画を作ってる気がしないでもないですが。
ところで、じゃあ海外でのホラーはなんなのかと言えば、手垢が塗れるほど語りつくされているであろう、オバケヤシキ型恐怖ということですが、ただこれも本来は語弊があります。オバケヤシキ型というのは第一に驚き先行である訳ですが、これはスプラッターやショッカーの驚きとは違うものではないかと思います。
アトラクションのオバケヤシキが怖いのは、自分がその中に入っているからで、スプラッターのように見て驚くという意味合いとは多少異なるからです。
オバケヤシキというよりびっくり箱型恐怖という訳ですね。話は遡って、いわゆるエセフィクションの心霊映像とはこのオバケヤシキ型とびっくり箱の境目に都合よく存在している訳です。
オバケヤシキとびっくり箱の違いは、自分自身が恐怖に隣接しているかどうかの違いです。映し出された映像は、今現在の自分自身の姿でない限り、隣接しているものではない。つまり自分とは無関係な場所で起こっていることだという前提があります。その上で見て楽しむ、というのがびっくり箱型。ところが、これにフィクションかノンフィクションかの違いという現実感が伴えば、つまり今見ている映像の恐怖は実在するもの、今現在自分が存在している世界に紛れもなく存在しているものであるという前提に摩り替わってしまいます。するとどうでしょうか。外側からびっくり箱を見ていたつもりが、自分もその箱の中に入ってしまっている。箱がオバケヤシキと化してしまう訳です。
つまり心霊映像というのは、オバケヤシキ型として楽しむのが本来の目的(いやむしろ楽しんではいけない気が……そこは放置)なのにも関わらず、次第にびっくり箱化してしまっているのではないかと。
で、なぜそうなったのかといえば、まあ要はそれが一番安全だから。安心するから。
うっかり怖いもの見たさとは言え、安全策を取るのは人間の本能ですからね。
ん~、そういうことにしといてください。ひとまず。
この後は文章による恐怖について書きますので。難しいことは考えずにぼーっと眺めるのが一番です。


↑貴方が正解。そう、そうやって楽しめばいいんですよ。僕みたいな臆病者は。



閑話休題。



じゃあ、小説は如何なる恐怖を提供できるのかというと、これがオバケヤシキ型でもなくびっくり箱型でもないのは一目瞭然。
もちろん小説に限らず心霊現象の体験談を綴ったものでもかまいません。何故、それが映像に勝れないのか。それはひとえに余白の有無によるもの。映像が真に恐ろしいのは、それが映像として誰の干渉にもよらない事実が残っているものだというところに尽きます。つまり撮影者もしくは製作者の意図しない恐怖が残っているという可能性があるということ。これっていうのはその映像そのものがフィクション・ノンフィクションに関わらず発生する不特定の恐怖な訳で、これが実に怖い。
もちろん大部分の心霊映像は意図的でないものを意図的に撮影しているものに当たるわけですが、では映し出されたすべてが意図的なのかというと確証は得られない訳です。これを逆メタ現象と言います(←言いません)。
これは実は小説だとか文章表現では不可能なんです。何故かと言えば、逆メタ現象(仮)の恐怖は余白にこそ存在するものであって、文章にすればそれそのまま余白になってしまうから。だけれども、この余白に想像をかきたてる方法を取り込む方法ももちろんあって、それが“これを読んでる貴方。そう貴方ですよ”だとか“今これを書いている手が震えている”だとか(なんてちゃちな具体例)、作品としてのメタ構造ですね。でも、それも反意図的が前提の逆メタ現象(仮)ではありませんから、実質、古本に長い髪の毛が挟まっていたとか、文末を横に読んだらうんこだったとかでない限り、逆メタ現象(仮)とは呼べない訳です。
で、もっとも大事なのは、それが偶然だという確証が得られないこと。
映像の逆メタ現象(仮)が怖いのはそれが偶然なのか何なのか見間違いなのか自分の頭がイカれているのかTVが壊れたのかコンタクトレンズがずれたのか世界が終わるのか明日彼女に振られるのかビタミン不足なのか寝不足なのか数多の災難の予兆なのか何なのか何なのかよく分からないところにあるのです。
髪の毛が挟まっている例は、誰の髪の毛か古本屋の店員か前の持ち主か母親か自分の陰毛なのか二人目の彼女のものなのかペットのダックスの毛なのか昆布なのか何なのか何なのかとまでは行かなくても、誰かのものであるという確証は得られる訳で、偶然入ったのか誰かが意図的に入れたのかぐらいは察知がつく。というか、それが心霊の髪の毛だ!!!なんていう方は病院に行って下さい。年末年始混み合う前に。
横文字でうんこはただの偶然か、作者の遊び心、もしくは隠されたダイイングメッセージだ!!!



で、つまり何が言いたいかと言えばですね。想像力の使われ方が文章と映像では異なる訳です。文章での想像力はこの話は何なのか、であり、映像ではあれは何なのか。トリップ映像が実は人間の臓物を描き出したものとかっていうスナッフめいた鬼畜な話はおいといてですね。つまり、そういうこと。



ん、分からない?
このバカチンが!!


あれ、なんだこれ。横読みならぬ縦読みにすると、ここまでの文章のあるところに「うんこ」の文字が!!!!


ん、分からない?
このバカチンが!!



ここのくだりじゃないのであしからず。





[追記]
なんだ、この文章書いた覚えがない。いつの間に誰が書いたんだ。俺はタバコ増税のことしか書いてないのに。しかも書いたの昨日なのに、今日の日付になってる……。どういうこと?
とりあえず、残しとく。
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