手のひらの海に、汐はまた満ちる。それまで待とう、死ぬのは。(皆川博子『ひき潮』より) ―――吉川楡井の狂おしき創作ブログ。

-週刊 楡井ズム-

   
カテゴリー「作品:【千文字の饗宴】皚」の記事一覧

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『ダブデの休日』

[解題]
このタイトルで、ヘップバーンの名作映画とか、ダブデ? ジオン軍か!などと思われてはいけないので、先に断っておく。タイトルにはさしたる意味はない。
歯の浮くような作品もたまにはいいだろう。
とりあえず、マヨネーズなんて死ねばいいのに。そう思う作者であるとだけ申し添えておく。


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『ニューシネマパラダイム』

[解題]
当初からメタ物に凝っていた。ネタバラシを早々としてしまうと、これは映画の中と外の物語である。中としても読めるし、外としても読める。中から外へも読めるし、その逆もしかり。
これを拡大解釈したものが、『TAILLAMP TALES』となる。映画への言及をジム・キャリーに絞ったのは、好きだからです。タイトルはあの映画のもじりなのに……。
あまり難しく考えないで読んだ方が分かりやすい。難しく読めば読むほど、パラダイムはパラドクスになり、やがてパラノイアになる。作者にとってはパラダイス。読者にとっては、知らん。




『魑魅朦朧』

[解題]
拙作の短篇『TAILLAMP TALES』で用いた手法を1000文字にも受け継ごうと思ったわけだが、以前に《千字一夜物語》シリーズの一篇『贋物と一角獣』という1000文字小説で使っていたので、それを極めた結果がこれ。 酩酊の表現を醸し出すには少し余白が足りなかった。これも詰め込み型。 辞書を引く癖がない人間には拷問のようだ。 なお、今敏作品『妄想代理人』の重要なファクターに影響を受けている。

そして、蛇足ではあるが、かねてから酩酊時に執筆をしたらどうなるかという実験をしてみたかった。その体現であることも添えておこう。



『聖ドゥラクルの殺人』

[解題]
詰め込み型。本作のようなものをそう称しよう。1000文字でミステリーを模索していたときに、それを破壊するファンタジーを求めて書いた。結局、どちらに落ち着くことなく霧消してしまうところが俺らしい。





『虹鯉の記憶』

[解題]
小学校の国語の教科書に『紅ごい』という作品が掲載されていた。十数年経って、樋口明雄氏『メモリーズ』を読んだら、それを思い出した。コイキングがギャラドスに進化するように、鯉は滝を登ると龍になる。虹との関連がうまくいかなかったのが難点。そもそも根っからのインドア気質である小生が、このような作品を書くこと自体、稀。





『供物連鎖』

[解題]
mixiの企画『蝉が鳴いている。』からはじまる1000文字小説のため執筆。
時期が時期だけに猟奇の章:5『悲し火幻想』と同じく終戦を元に着想。どこか北と名のつく国との鬩ぎ合いが想起されるが、大して興味はない。死ぬときは死ぬだろう。テポドンであっても天災であっても。というか北は多分テポドンを撃たない。そう思おうじゃないか。
犠牲と食物連鎖を綯い交ぜに考えるのは教育に悪いが、実質似たようなものだとブラウン管が訴えている、そんな昨今。





『紅葉散ル園』

[解題]
作者の思い入れがそのまま読者に伝わることはない。それが創作の摂理。
テーマはアート。本作ではパントマイムを用いている。作者は静的な表現の刹那に、永劫の輝きを見る。しかしそれが読者に伝わることはない。芸術とは評価されると同数の無評価を孕んでいる。評価者の一秒は、無評価者の一年に、そして表現者の一生に値する。生まれながらの表現者は表現せずとも表現になり、その所作すべてが芸術になる。例えば、一生を終えたとき、遺された意図しない表現も評価の対象になる。評価者と無評価者の絶対数が多ければ多いほど。
誰一人に見向きされずとも、小生は本作を愛し続ける。
オフィーリアの名は生ける屍を描いた著名な絵画、その基になった説話による。





『みぞれまじりの……』

[解題]
また柄にもないものを……と言いたいところだが、悪魔主義はフィクションの枠をはみ出し、罪なき少年少女をもその手にかける。死は唐突。現代の人間関係は、果たして何処から何処まで保障されているのか。そんなことが時折頭をかすめ、それが作品となった。
たまにはこういう作品もいいだろう。自己への戒めとしても。





『生首灯籠』

[解題]
視点の交錯を意図して書いた。五覚のうち実に四覚が首の上に集中しているように、あるいはそもそも脳髄がそこに置かれているように、首から上の存在が人間を人間足らしめる。ただし二つの視点は二つの存在とイコールではない。
元は一つの視点(一つの存在)が乖離することで、二つの次元を介し、やがて一つに重なることで、物語上の収束を演じている。本来パラレルワールドはそこまで簡易なものではないが、怪奇幻想視点から見ればこうなるとの回答。
雰囲気からは怪奇色が前面に出た形となっているが、アイディアの風格を優先して奇想の章への収録と相成った。ストーリー上でも、恐怖を意識しながら浪漫に落ち着く点、怪奇の放棄と見て取れる。






『怪人なめくじ男の変身』

[解題]
実のところ、小生は仮面ライダー<ウルトラマン派である。戦隊シリーズと比べるとなんとも言えない。特撮全般で話をすれば、特殊人間もの繋がりでは仮面ライダー>東宝映画の変身人間シリーズとなるのだが、それはまた別の話。
何ゆえ仮面ライダー<ウルトラマンなのかと言うと、脚本の好みもあるが、敵役の描き方に尽きると思う。
ウルトラマンは題名に正義のヒーローを冠していながら、実際毎回登場する怪獣が主役である。それを裏付けるための怪獣の魅力は語らずもがな。仮面ライダーもスタンスとしては共通しているのだろうが、怪人に魅力がないと個人的には思う。やっぱりデカくなくちゃ(そこか 戦隊ヒーローものでは怪人風情がとある行為で巨大化し、ロボと戦うという流れが遺伝子として後世の作品にも伝わっている。その点、怪獣好きとしては仮面ライダー<戦隊ヒーローとなる。まあ結局、どれも大好きなんだけど。最近の以外はね。

そんな感じで、『レッドキングの結婚』に対する愛情とは一線を画すであろう怪人愛に乏しい作品だが、これはこれで気に入っている。作品全体の趣向が現実主義に則ったものながら、その現実がヤリスギな感じが否めないのは、ヒーロー物特有のキワモノさに通じると思う。




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