[解題]
個人的な嗜好として無国籍感があるファンタジーが好き。異国情緒が幻想性を掻きたてることも無きにしも非ずだが、醸し出す風情はやはり幻想の湯気であることが望ましい。本作の場合はモザイクじみた設計になってしまったが、実際の塔の造型と比較するためにこれぐらいが限度だったかのように思う。
作品の主となる存在はまるでギャグ、まるでチープな子供だましに過ぎない。だからこそファンタジーを忘れた大人への成長という意味で、“永遠の夢”という単語を使用した。
『月夜のでんしんばしら』の叙情性には到底敵わないが、これはこれで地味に気に入っている。
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