[解題]
『短編』に投稿したときの感想で、面白そうであって面白くないという的を得た感想があった。確かにこの作品の特色として、前にも後にも広がっていく開放性がある。それはある種いつまでも歳を取らないサザエさんの手法でもあって(は言いすぎだけど)、この作品はバックボーンだけが構築され全体像があやふやな設定。
それを現代ファンタジーらしい、枠に収まっているようで思いっきりはみ出している物語の剰余として受け取ってもらえたら幸いだが、虚像が浮き彫りになり上っ面を掬ってみても薄い塩味しか提供できなければ、件の感想を貰うことになる。
大いなる物語の終章でもあり、序章でもあり、そしてそのどちらでもないという弛緩した設定が、否定肯定どちらに転ぶかは読者の嗜好に頼るしかない。
http://r0bot21th.edoblog.net/Entry/29/『麗を弔う宴』