手のひらの海に、汐はまた満ちる。それまで待とう、死ぬのは。(皆川博子『ひき潮』より) ―――吉川楡井の狂おしき創作ブログ。

-週刊 楡井ズム-

   

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『封印BOX』

[解題]
遠藤徹「キューブ・ガールズ」が元ネタなのか。意識はしなかったはずが、やけに透けてみえるのは当時の読書のせいだろう。個をマクロに移し替えるという発想は、拙作でもよく登場するファクターである。また、ループな落ちも甚だ常套手段に過ぎない。もっとも着想の原点は、さなぎにあるのかもしれない。蝶のアレであり、井上雅彦ショートショートだ。
タイトルは以前からストックしてある短篇からの拝借である。今回はこういうのがままある。なんにしろこれ以上語ることは何も見当たらず、作者としては推すことも退くこともできない。



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『乙女座の祈り』

[解題]
コールタールのなかの虹、宇宙のなかの電飾、闇のなかの綺羅、混沌のなかの星……「都市計画アンダーグラウンド」の解題で示した我が幻視の肝。そこに付け足すとすれば、物置のなかの銀河とでもなるだろうか。なんとも血なまぐさいプラネタリウムである。
そも拙作におけるエログロマンチシズムの根底にはモテない男の妄想たる暴走が詰まっている。一方で、それを自嘲するイケスカないスタンスまで備えた本作。星座にまつわる要素のあざとさが目に余るが、リハビリ作としては膂力がある方、と我ながらに思う。





『化鳥水』

[解題]
別ブログ掲載の【即興詩篇】からの転用である。鳥という存在が昔から好きだった。理由を探るつもりは毛頭ないが、いつからか畏敬と憧憬入り混じる幻想の存在として位置付けてきているのかもしれない。「はいたか夢路」しかり、「鳥たちのいる風景」しかり、本作しかり。
もっとも本作は「化鳥」と「化粧水」を合わせた洒落のタイトルが先にあり、内容は後天的なものだ。生と死を両性具有的に持ちうる存在、そこに胎児の(あるいはそれ未満の)娘をあてがう。
かつて「子宮の記憶」という短篇を思案したことがあったが、それは遠くない未来に生まれてくる赤ん坊が不可視の青年の姿をとり、茶の間に座り込んで母となる女の生活を眺めるという話だった。本作はそのヴァリエーションである。





『皿の花嫁』

[解題]
タイトルからして『血の花嫁』の姉妹作(とでも言いたいところだが似たタイトルにしたのは気まぐれ以外の何でもない)。
ただし背景にある猟奇殺人興味は共通している。『血の花嫁』では作者のなかに眠るイメージを基盤としているが、こちらではもっとインプットに委ねている。詳細を語るのはやめよう。巷では毎日毎日さまざまなニュースが流れている。目の前を横切ったまま虚無に消えるはずだったその断片を、惜しげもなく摘みとっただけの話である。
肉付けとして、皿からの連想にちなむ『番長皿屋敷』と藤子・F・不二雄「ミノタウロスの皿」を引いている。遊び心だ。登場する女優にモデルはいないが、ヴィジョンは皆川博子「使者」の稚拙なパロディである。





【千文字の饗宴】怪奇の章 ver.2.0 :目次




『膚牌遊戯』

[解題]






『煙火』

[解題]






『やさしい丘』

[解題]






『魚符の吏』

[解題]






『はいたか夢路』

[解題]






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