手のひらの海に、汐はまた満ちる。それまで待とう、死ぬのは。(皆川博子『ひき潮』より) ―――吉川楡井の狂おしき創作ブログ。

-週刊 楡井ズム-

   

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H23.1.18 書店にて

   
47巻目の異形コレクション 江戸迷宮―異形コレクション (光文社文庫)

今回は全編時代劇。

場所を舞台にしたものといえば、41巻『京都宵―異形コレクション (光文社文庫) 』が記憶に新しい。
でも、今回は嘗ての首都《江戸》のみではなく、時代としての《江戸》をも含んだテーマ。だそうです。

どんなに金を切り詰めても異形だけは買い揃えてきたわけですが、すっかり発売日を忘却していて、今さら購入。

普段なら事前に参加者等を下調べしておくはずだったのに、今回はそれもなしとくりゃ、時代劇はハードルが高いなーと思ったが故。

我らが皆川博子女史がトリをつとめていることさえ買ってから知りました。

まだ一作もきちんと読んではおりませんが、これを機会に時代小説にも興味を拡げてよいかもしれない。

とりあえず今後の愉しみ。


二冊目は、『きょうも上天気 SF短編傑作選 (角川文庫)』。
昨今大フィーバーしているSFアンソロジーに埋もれてすっかり買うのを忘れていたもの。
SFアンソロジーといえば中村融氏が不定期に出している《海外SF傑作選》シリーズ があるけども、こちらは翻訳者・浅倉久志追悼記念により、浅倉氏が訳した海外作品を集めたもの。趣向は面白い。

編者は、大森望氏。
角川だから、《不思議の扉》からの繋がりなのだろう。
《不思議の扉》三作目も来月出るらしい。二作目『不思議の扉 時間がいっぱい (角川文庫) しか持っていないけれど、まあ作品のチョイスがなんともいえない微妙さだから、これは続いても続かなくてもどちらでもいいかなあ。

今もなお現在進行形である怪談ブームの火付け役、東雅夫氏が、bk1およびポプラ社を間借りして繰り広げられている怪談系競作集 のラッシュが落ち着いてきた頃合に、東京創元社による創元SF短編賞、いやいや元を辿れば伊藤計劃&円城塔氏の登場なのかどうかは分かりませんが、そんな感じで大森望氏が現在ブレイク中。

じゃあ続くは、探偵小説系で日下三蔵氏、と言いたいところですが、氏はすでに創元SF短編賞関連で顔を出しているので、 《書物の王国 》再刊目指して須永朝彦氏、とは言いすぎか。
ならば、猟奇文学館より七北数人氏。監禁淫楽 』、『人獣怪婚』、『人肉嗜食 』と三冊で終えるには惜しいシリーズ。もち、これ以上続けるネタがあるかどうか不明ですが。

いやいや、それよりももっと活動的なアンソロジストがいるじゃないか。
昨今のアンソロジーはこの方の尽力のお陰だ。
井上雅彦氏。そろそろ角川タロットボックスを復活させて欲しいです。これも『塔の物語 』、『魔術師 』、『吊された男 』の三作のみ。

まあ異形コレクション、年三冊刊行が継続しているだけありがたいけど。


ああ。

『きょうも上天気』もまだ読んでません。てか開いてもいない。積ん読。


明日以降、また物資調達の予定があるので、揃ったらまとめて読むべし。
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