手のひらの海に、汐はまた満ちる。それまで待とう、死ぬのは。(皆川博子『ひき潮』より) ―――吉川楡井の狂おしき創作ブログ。

-週刊 楡井ズム-

   

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『トワイライト・ゾーン』

[解題]
タイトルは外国の某TV番組のままだが、内容にはさして影響がない。本家にあるようなものをイメージはしたが、あまり見たことがないので、それも雰囲気である。
構成としてはよくあるパターンで、『夢で逢えたら』や『ニューシネマ・パラダイム』と根源は同じである。
今思えば、『侵蝕』はこれの語りなおし、あるいは正当な続編とも呼べるかもしれない。
蒼穹か黄昏の違いだけで。


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『天井裏の散歩者』

[解題]
オマージュというほど原典に重きは置いていなくて、どちらかというと小林泰三『家に棲むもの』を想起させるような物語。蟷螂は女性性の象徴だとか、色々語るべき部分は先に語ってしまったので、オチについて一筆とろう。
オチは笑うところ、と嘗て解説したことがある。では、面白みを感じるべきかというとそれもちと違っていて、つまりは笑えるだけ突き放してしまっていいということである。あーあ、漏らしちゃった的な、俯瞰の姿勢を求む。


『1/10000 for you』

[解題]
テーマは悪魔の発明。だから、背中に羽根がある。けれど、天使ではない。
1000文字小説を書き始めて間もない頃に書いたもので、後の『脳を漬ける』を彷彿とさせる手触りだが、適当さは『空飛ぶマタドール』に匹敵するだろう。
どれもこれもいわゆるショートショートを意識したものである。





『検閲』

[解題]
テーマは、物語の魔の物語。つまりはメタ怪談もの。
といっても本作の場合、通常のメタフィクションとは異なる。一度、メタ構造の外側に出た後、そこもまた内側であると気付く。とどのつまり、行って帰ってメタフィクションではなくなるとも見える。なので、メタフィクションではなく単なるモンスター物としても読めるように出来ている。






『北極日誌』

[解題]
吸血鬼の花嫁となった氷の女神ヘルに引き続き、北極に出現する妖かしを。
精液をも凍結させる氷原ながら、冷たければ冷たいほど火傷する、生死と幻影の熱量をご賞味あれ。
映画『南極日誌』のCMを見て(つまり実際には見ていない)こんな話じゃねえのと思って書いた。たぶん、全然ちがう。



『聖ドゥラクルの殺人』

[解題]
詰め込み型。本作のようなものをそう称しよう。1000文字でミステリーを模索していたときに、それを破壊するファンタジーを求めて書いた。結局、どちらに落ち着くことなく霧消してしまうところが俺らしい。





『邪魔しないでキャンディ』

[解題]
非現実なキャラクターを妄想してて、こんな昆虫を思いついた。想像ではもっときちんとした冒険譚になるべきはずが、自殺なんかと結びついたことで魅力を引き出せずに終わってしまった。何より、女性主人公の描き方に苦労する。




『混沌の神の創り方』

[解題]
実を言えば、1000文字を書く前、超短編という名義で作品を書いていた頃、その処女作は本作だった。つまり『レッドキングの結婚』よりも早い段階に生まれていたということである。小生は、かねてより井上雅彦氏のショートショートに触れて育っていたので、単語の羅列だとか抽象単語の海嘯などはむしろベーシックであったから、本作などで単語の羅列がどうとか感想を持たれるのが意外だったことを覚えている。
全体的に怪奇色が強めだが、ある種の神SFとして視る、というのは聊か迎合が過ぎるが、誕生のプロセスが重要なのであって、人間の尊厳などはその糧にあるという構成上、空想のカテゴリーが相応しいのではないかと思う。
ちなみに、我が実家は、今も未だ汲み取り式便所である。そういう環境が身近にあったからこそ来迎した異形の神だ。




『綺羅』

[解題]
《短編》にも投稿したが、投票は2件だった。これでも予想より多い。後に、なるほどなと思う書き込みがあった。
「猫を殺す物語」はすでにクリシェになり下がってしまっているのではないか? ということに尽きる。
猫の殺害がエスカレートする殺戮の端緒になったり、やり場を失った殺意のはけ口になったりする物語/言説を、僕たちはもうすでに(例の酒鬼薔薇事件以降、特に、)数多く語り・聞かされてきたのではないだろうか。(93期『そらみみ』高橋唯さん※当時 へのでんでんさんの感想より抜粋)
本作は特に自発的な殺害ではないことを強調したかったのだけれど、客観的に見ればそうなるのだろうなと納得した。言わば、本作は化け猫話の変形でしかないのだけれど、現代においては殺戮の上でのみ成立するものなのだと再認識。妖怪も時代の変遷により、変わりつつあるのかないのか。それは恐怖の対象ではなく、副産物に過ぎないのかもしれない。悪意という名のあやかしの。
ところで、PC内のデータを開いたら、本作だけ1200字に加筆してあった。いい機会なので、そちらを掲載する。




『創世記のゴーレム』

[解題]
かつて《1000文字小説》というサイトにこれを載せたら、2ちゃんねるで「知識と知恵を混同して書いているっ」なんて知識と知恵を混同した読み方しか出来ていない感想が晒されたという作品。「よく読め、だあほ」と言ってやりたかったのは昔々。
テーマは《魔術師》。これも角川タロットボックスのオマージュである。テーマへの追究は今ならもっと別な形にしていたと思う。でも、そんなテーマでないとこういう作品は書かないと思うので、よしとしよい。





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