手のひらの海に、汐はまた満ちる。それまで待とう、死ぬのは。(皆川博子『ひき潮』より) ―――吉川楡井の狂おしき創作ブログ。

-週刊 楡井ズム-

   

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『青のサーカス』

[解題]
どこかでみた同名の絵画をモチーフに、とよくよく調べれば、それは天才シャガールの絵で、しかもタイトルは『青いサーカス』であった。絵画に描かれたものをモチーフに引用するよりかインスピレーション(それも“どこかでみた”当時の)を大事にしようと決めた。なので必ずしも『青いサーカス』がモチーフとはいえない。
作風としては、長野まゆみ風の硬質なファンタジーを目指したが、なにぶん文字が少ないために発揮できぬまま息切れした覚えがある。
ロボットテーマの『ハカイ者』では描ききれなかったロボットたる魅力を表現した。オマージュでもなんでもないが、ロボットを描くにあたり、ラーメンズ『ATOM』の中の一編『アトムより』に登場するノスというキャラクターを忘れずにはいられない。そんな心情も書き添えておく。


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『風神病者、逝く。』

[解題]
M.ナイト・シャマランという映画監督をご存知だろうか。作者の敬愛する人物の一人である。いや尊敬に値する部分はその度胸のデカさとケレンミでしかないのだけど、とりあえず愛していると言っておく。最新作『ブンチャカ坊主のボヤ騒ぎ(仮題)』は見ていないのだけど。
冗談はさておき、シャマラン作品『ヴィレッジ』を鑑賞済みの方々にはこの作品が何を言わんとしているかご理解いただけると思う。“風神病”というガジェットを使いたかっただけなんだけど。



『ドグマ=ドラマ』

[解題]
テーマは幻想探偵。1000文字のなかであまりミステリを追究している頃合ではなかったので、探偵小説の風味を髣髴とさせればそれでよかった。
『名探偵コナン』と『まじっく快斗』がイメージソースにあるなんて口が裂けてもいえない。無論、源泉は『堂廻目眩』……『戸惑面食』……『脳髄地獄』……なんと記しても構わないだろうが、日本が誇る幻魔怪奇探偵小説であると思いたい。




『月下』

[解題]
中身のない熱量。空虚な性欲。一回りして胎内に戻る精子。


『嗤うのっぺらぼう』

[解題]
一時期、怪談を勉強していたのだけれど、結局怪談は俺にはあわねえな、ということでエログロに走ったのも昔の話。今まで書いたなかでは怪談のフォーマットに最も即している。書くのも楽しかった。けど、やっぱり怪談はあわねえな。




『三日月のはしご』

[解題]
本作の風情が分からぬやつは物語を読む資格なんてない、そんな風に豪語していたのだけど、短編では思ったより成果が出せなかった。まあ、いい。
これも着想はすごい昔で、もう少し長めの掌編を予定していた。椎名誠を髣髴とさせる奇妙な生物も入り混じった御伽噺。けれども、1000文字に鞍替えした結果、このような形に落ち着いた。んー、スマートじゃないよなあ。




『ハカイ者』

[解題]
テーマに対して別角度から攻めるという手段は宣戦布告でありながら、一種の逃げであるように思う。 先鋭化した技術、極端化された人造物の変遷に恐怖を抱くのは、フランケンシュタインコンプレックスという名の驕りである。あるいは、殺人の意義がやがては人体損壊というアプローチでもって尊厳を失わせることに成功している昨今のホラー事情への皮肉でもある。 破壊/破戒とは、逃げである。




『スノウフレンド』

[解題]
時間を凍結してしまうというのは、プリースト『限りなき夏』だったり、そもそもコミックアニメでの凍結シーンはほぼすべてがそれにあたるのではないかとも思われる。
本作は、その失われた時間の中を描くというコンセプトの元に書いた。
雪ダルマが印象的な拙作といえば『ホーリィシークレット・ファンタジア』というものもあるように、雪ダルマは本当に添い寝がしたいほどのキャラクターである。だからロマンシングサガ3のパーティにも入れている。
いや、ほんとに、好き。理由とか、ない。




『夏にオーロラ』

[解題]
アンファンテリブルものは割りと多く書いている。
『しろすけ』も見ようによっては怖い子どもの典型だし、『おゆうぎのじかん』、『子役たち』も異色ながらその系譜にあたる。おもしろいのはホラー系の集まる《怪奇の章》ではなく、前者は《幻想》、後者はどちらも《奇想》の枠に入れられていることだ。
満を持して、《怪奇》からお送りするアンファンテリブルは、なんともぬったりとした喉越しの悪いひと夏の光景。
怖さは物足りないが、暑気渦巻く季節に読むとまた一味違うのではないかと思ったりもする。




『おゆうぎのじかん』

[解題]
ふたつの1000文字小説で1セット、というのは書き始めた頃から頭にあって、それが結実したものが本作と『子役たち』である。この手のネタは、ミステリーにいくつか先駆作品が思いつく。
けれど、一番頭に湧き上がるのは中島らも『こどもの一生』だったりする。





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