9月の鑑賞メーター
観たビデオの数:6本
観た鑑賞時間:693分
嫌われ松子の一生 通常版 [DVD]
冒頭から木村カエラに瑛太って……はーーっん、ああもうこの映画嫌いッッ!!と思ったのも束の間、フルアクセルで暴走していく中谷美紀+変顔でげんなり、クドカンの千切れた足首が飛んでくる雨の踏切というシークエンスはよかったが、何がお前をそこまで持て囃してしまうのかと言わんばかりの劇団ひとりとのキスも挟みつつ、とりあえず最後まで観ました。まあ、いいよ。うん、よく出来てると思う。黒沢あすか、いいね。
鑑賞日:09月24日 監督:
中島哲也
CURE キュア [DVD]
恐怖と不安は少し似ている。人間の気持ちを穏やかにしない点、一度感じるとウイルス発症的に増幅する点、そしてポジティブな感情とは裏腹に拭い去ろうと思えば思うほど容易ではなくなる点。異なる点と言えば、恐怖は好奇心を供し、時に快楽中枢さえ刺激する。だからこそ人はホラーに惹かれる。チラーやスプラッターはそういう意味でエンタメではあるが、この映画が提示する“不安”は、他の感情を排除させ、もはや娯楽ごときが追随することを許さない。
鑑賞日:09月20日 監督:
黒沢清
ザ・マジックアワー スタンダード・エディション [DVD]
三谷作品は嫌いじゃない。TVドラマ群は元より映画の過去作品も特別嫌いではない。本作を観て思ったのは、エンターテインメントと荒唐無稽は異なるということ、現実感の濃厚/稀薄とは現実/映画の対比と似て非なるということ。この監督の作品は外部を映してはならない気がする。余計に劇画チックさが浮き彫りになって、贋物の現実感が強くなる。この贋物への言及がストーリー中にしっかり組み込まれていれば、あるいは、現実感という見かけだけのものではなく根本的な映画と現実の関係を表現してくれれば、天才と呼べただろう。
鑑賞日:09月19日 監督:
三谷幸喜
パレード (初回限定生産) [DVD]
良くも悪くも現代日本の文学性娯楽映画。思っていたよりも悪くない部分があれば、案の定、思っていたより悪い部分もある。悪くなかった点は、役者陣。藤原氏の学芸会演技はいつもながら冴えているし、シンシティを彷彿とさせる(?)カリーナの深夜のビデオ鑑賞会。序盤の奔放なセクロスシーン、中盤の少女漫画的セクロスシーンはウラヤマぁ、金髪男子のオナニーシーンはどうでもいいです。そんなこんなでメッセージを込めずにさらけ出すというメッセージ性がトレンドの昨今の日本映画、その参考作品としていかがでしょうか。
鑑賞日:09月17日 監督:
行定勲
ナッシング [DVD]
心の琴線に触れる何かを、低予算ながら卓越したアイディアを、不条理SF特有の笑いながら頭をぶち抜かれるセンスオブワンダーを、B級映画だからこそ燦然と輝く才能の迸りを、つまりCUBEで体感した諸々を期待した俺がバカだっただけ。それ以外の感想は特にナッシング。
鑑賞日:09月17日 監督:
ヴィンチェンゾ・ナタリ
ブラック・スワン 3枚組ブルーレイ&DVD&デジタルコピー(ブルーレイケース)〔初回生産限定〕 [Blu-ray]
ナタリー・ポートマンが一肌脱いだかといえば、汚れ役は初めてじゃなかろうし、ただ単に鬼気迫る演技に虜といったところ。今敏監督の『パーフェクトブルー』が芸能界の不条理によりどつぼにはまっていったのとは趣を異としていて、終始ナタリーの自業自得じゃないかという思いを拭い去れなかったのも事実。立ち役の女優の美貌と力強さ、外見としてはすでに旬を過ぎたナタリーが追い込まれていく説得力。冒頭から描かれるダークなメタモルフォーゼは圧巻、且つ、信頼の置けない演出がどんでん返しを築いていく様もまた手際よい。
鑑賞日:09月13日 監督:
ダーレン・アロノフスキー
鑑賞メーター
まあ、本当に観たのはこれだけじゃないんだけどね。