[解題]
正直に白状すると、自身の創作理論は模倣にある。引用もあり、俗っぽくいえばオマージュだけが特技だ。
では、本作はなにのオマージュになっているかというとこれが我ながら面白いのである。まるでその取り合わせは月とスッポンを地で行くような、次元の異なる漫画・小説が基なのである。
ほんとうは隠し通したいのだが隠し通せば隠し通すほど虚しさも残るので、書いてしまう。
まず1つ目は津原泰水『ペニス』である。ところがこれはとってつけたものにすぎない。というのも主人公の境遇が辛うじてダブっているにすぎないからだ。
2つ目は皆川博子『砂嵐』である。これはラストを見れば一目瞭然だろう。
そして最後が『学級王ヤマザキ』の1エピソードである。というか、それがメインである。
こんな風に創作とは創作者のなかの混沌から、特異な化学反応によって行われる蒸留・抽出・搾乳の一種なのである。
http://r0bot21th.edoblog.net/Entry/568/『煉獄』