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 手のひらの海に、汐はまた満ちる。それまで待とう、死ぬのは。(皆川博子『ひき潮』より) ―――吉川楡井の狂おしき創作ブログ。

-週刊 楡井ズム-

   

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ここ最近で購ったもの。



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『姉飼』/遠藤徹


姉飼 (角川ホラー文庫)



さぞ、いい声で鳴くんだろうねぇ、君の姉は―。蚊吸豚による、村の繁栄を祝う脂祭りの夜。小学生の僕は縁日で、からだを串刺しにされ、伸び放題の髪と爪を
振り回しながら凶暴にうめき叫ぶ「姉」を見る。どうにかして、「姉」を手に入れたい…。僕は烈しい執着にとりつかれてゆく。「選考委員への挑戦か!?」
と、選考会で物議を醸した日本ホラー小説大賞受賞作「姉飼」はじめ四篇を収録した、カルトホラーの怪作短篇集。


 カルト嗜好であればあるほどハマっていく……。姉、キューブ・ガール、恋するジャングル・ジム、孤島の鬼……散りばめられたガジェットの謎。……イメージ・アイディアだけとも捉えかねない杜撰さと、小説の規範を逸脱しない周到さ。……引き出しの数も奥行きも窺い知れない、質の悪い作者の、質の悪いデビュー作品集。……けれど、どこか唾棄できない可能性を秘めているような空々しい感覚。……そのアンバランスさが悪夢的だ。ほんの少し後ろめたい。……ちなみに、単行本の表紙はトラウマ。大槻ケンヂの解説は傑作。http://book.akahoshitakuya.com/b/4043838018



【収録作】
 『姉飼』
 『キューブ・ガールズ』
 『ジャングル・ジム』
 『妹の島』






異形コレクションⅠ『ラヴ・フリーク』

ラヴ・フリーク (広済堂文庫―異形コレクション)

 凍りつく恐怖、戦慄の愛
人類にとって、最も古く、最も強烈な感情とは―――もしかすると―――恋情ではないか……その答えはあなたの恋人が知っているかもしれません。
人類最古の感情に、歯の根も合わぬほどうち震えている……あなたの恋人が……。
どの短篇からお読みいただいてもかまいません。―――いや、二十世紀末の90年代の『ひとでなしの恋』がどれほど一筋縄ではいかぬ物語かを、お愉しみいただけるだろうと存じます。

 なんて歪なハートマークの嵐……それは鷲掴みにされた愛読者の心臓だ。美しい泡沫が非現実への嘆きに聞こえる『約束』、物語同士のロマンスを抉った『砂嵐』、布団が空を飛ぶだけの話『太陽に恋する布団たち』、闇の種族・御伽噺の晩年を描いた『老年』、脳外科病棟のナルキッソス神話『地下のマドンナ』、セ カイ系メルヒェン『逃げ水姫』etc.観測法によって姿態を変える“愛”ほどシリーズに相応しいものはないだろう。なぜって、こんなにも美しく醜い感情を “異形”と呼ばずしてなんと呼べばいい。我が読書歴に燦然ときらめく“最愛の恋人”。 http://book.akahoshitakuya.com/b/4331606295


【収録作】
 中井紀夫 『テレパス』
 加門七海 『女切り』
 早見裕司 『逃げ水姫』
 朝松健 『地下のマドンナ』
 森真沙子 『ニューヨークの休日』
 田中文雄 『怪魚が行く』
 倉阪鬼一郎 『老年』
 井上雅彦 『赤とグリーンの夜』
 奥田哲也 『スマイリング・ワイン』
 竹河聖 『猫女』
 友成純一 『アドレス不明』
 久美沙織 『REMISS(リミス)』
 高井信 『加害妄想』
 岡崎弘明 『太陽に恋する布団たち』
 飯野文彦 『東京悲恋奇譚』
 矢崎存美 『人殺しでもかまわない』
 津原泰水 『約束』
 皆川博子 『砂嵐』
 菊地秀行 『貢ぎもの』


 ※http://r0bot21th.blog.fc2.com/blog-entry-2.htmlから加筆し転載。


【即興詩篇】更新

脳内世界地図ミクロ ―別冊 楡井ズム―

【即興詩篇】

『燐魚』を掲載。


今日はイメージをことばにするってことを、練習してみましたよ。
小説では必須なんですが、これも思うように行かなくてですね。詩という形でごまかしながらやってみましたけど、どうにも物語が先走ってしまう。ちょっとした思いつきでもあったので、今日はこれ以上深みに入らずに寝る支度をしまんにゃわ。






『セカンド・ショット』/川島誠

セカンド・ショット (角川文庫)


電話がなっている。君からだ。だけど、ぼくは、受話器をとることができない。いまのぼくには、君と話をする資格なんてない。だって、ぼくは…。あわい初恋が衝撃的なラストを迎える幻の名作「電話がなっている」や、バスケ少年の中学最後の試合を爽快に描いた表題作、スペインを旅する青年の悲しみをつづった書き下ろし作品を含む、文庫オリジナル短篇集。少年という存在の気持ちよさも、やさしさと残酷さも、あまりにも繊細な心の痛みも、のぞきみえる官能すらも―思春期の少年がもつすべての素直な感情がちりばめられた、みずみずしいナイン・ストーリーズ。


 焼酎をまぜた清涼飲料水のごとき、瑞瑞しくも、苦く毒々しいものがたりたち。トラウマの傑作『電話がなっている』『ぼく、歯医者になんかならないよ』がやはり白眉。死と孤独と性と、生まれたての自我が渾然となった多感な時代、自意識と社会の境目はひどくあやふやなものだった。ちいさな体に封じ込めたそれらの残滓を掘り起こすと、バカとクソと痛みがよみがえる。『サドゥン・デス』(突然の死という意味。なぜか本篇はもっとも死に程遠い話だが)から『消える。』まで、さまざまな独白を用いて描かれる〈思春期の死〉に胸が詰まる。息が詰まる。http://book.akahoshitakuya.com/b/4043648022


【収録作】
 『サドゥン・デス』
 『田舎生活』
 『電話がなっている』
 『今朝、ぼくは新聞を読んだ』
 『セカンド・ショット』
 『悲しみの池、歓びの波』
 『ぼく、歯医者になんかならないよ』
 『セビーシャ』
 『消える。』






『驚愕の曠野』/筒井康隆

驚愕の曠野―自選ホラー傑作集〈2〉 (新潮文庫)

目の前の現実、慣れ親しんだ世界観にわずかな亀裂が走るとき、総毛立つ戦慄があなたを襲う。〈とてつもない残酷さ・グロテスクさをもって、ほとんど生理的
な反応でパニックすらひきおこす〉(本書解説)と評された「二度死んだ少年の記録」。何度死んでも魔界に転生してしまう絶望的運命を著者十八番の超虚構で
描く表題作。読者の恐怖観を完全にくつがえす自選ホラー傑作集第二弾!

 これはよい本である。文学でしか為し得ない次元旅行『遠い座敷』、読む者の胸に傷と汚穢とむかつきを残していく『二度死んだ少年の記録』、間隙を狭めることで平行世界だかなんだか知らんが前衛キネマの華麗なるパスティーシュ『偏在』、トロピカル・ミュータント物の傑作『メタモルフォセス群島』、異形ミュージアム的に云えば“物語の魔の物語”である表題作というふうに、作者の膨大な短篇小説のうち取り分けグロテスクとトリップ感を催す好篇が堪能できる一冊。けれどぶっ通しで読んだら頭痛に苛まれてしまった。体には悪い本なのかもしれない。http://book.akahoshitakuya.com/b/4101171424


【収録作】
 『魚』
 『冬のコント』
 『二度死んだ少年の記録』
 『傾斜』
 『定年食』
 『遍在』
 『遠い座敷』
 『メタモルフォセス群島』
 『驚愕の曠野』





『殺す』/J.G.バラード

殺す (創元SF文庫)


6月の土曜日の朝、ロンドンの超高級住宅地で住人32人が惨殺された。高い塀と監視カメラに守られた住宅地で、殺されたのはすべて大人。そして13人の子
どもたちは何の手がかりも残さず、全員どこかへ消えていた。誘拐されたのか?犯人はどこに?2ヵ月後、内務省に事件の分析を命じられたドクター・グレヴィ
ルは現場を訪れるうちにある結論に到達する。鬼才が描く現代の寓話。


 日誌の体で紡がれる小気味良い断章のリーダビリティ、終盤に怒涛の如く追想される殺人の光景、法医学者の乾いた視点であぶり出されるからこそ病理が箱庭から世界へと噴出していく過程が愉しめる。そういった意味では至極端正なサスペンス。さらっと読み進めてしまったけれど、手軽に読めても気軽に読むのは誤りだったかもしれない。さらなる兇行の続きを欲している自分がいて、思えば87年生の自分は、作中の少年少女より一世代下。つまり現代のパングボーン・ヴィレッジにおいて、本作で描かれる寓意の刃は鈍らになりつつあるのかもしれない。http://book.akahoshitakuya.com/b/4488629148




【即興詩篇】更新

脳内世界地図ミクロ ―別冊 楡井ズム―
【即興詩篇】

『皮膚の砂漠』
『あのひとは縷微をうしなっている』を掲載。


はい、どうも半年ぶりですねえ。全然言葉が出てこなくてびっくらこいたんですが、ノート漁ってたら出てきたのがあったので併せて載せました。(『皮膚の砂漠』)
こちらはあれね、あのー、SF映画で、宇宙船に閉じ込められてーみたいなのあるじゃないっすか。あれで、宇宙空間に浮かんでいるホコリの大部分が人間の(てか、乗組員の)皮だ、なんて話が出てきたのね。つまり、それ。その映画は『イベント・ホライズン』か『サンシャイン2057』でしたね。まあ今思い出しただけなんすが。

『あのひとは縷微をうしなっている』はね、今考えると『砂嵐』(皆川博子の短篇)の影響がにじみ出てるなとか思うんですけど、意識はまったくしてなくて、よくある基地外モノローグの典型ですね。ちなみに、縷微って何て読むのって質問には答えられません。だって、ルビ振れないんだものwwwww なんつってよ。

久々に集中してキーボード打ったら、いやー、頭が痛い。




H25.6.3現在

河出文庫     20130704     瑠璃玉の耳輪     津原泰水/著      
河出文庫     20130704     NOVA 10     大森 望/編
河出文庫     20130704     ナボコフのロシア文学講義 上 (仮)     ナボコフ/著      
河出文庫     20130704     ナボコフのロシア文学講義 下 (仮)     ナボコフ/著
講談社文庫     20130712     キョウカンカク     天祢 涼/著
光文社文庫     20130710     長い廊下がある家     有栖川有栖/著
小学館文庫     20130705     書くことについて     スティーブン・キング/著 田村義進/訳
新潮文庫     20130727     きことわ     朝吹真理子/著
新潮文庫     20130727     流れ行く者 守り人短編集     上橋菜穂子/著
ちくま文庫     20130710     オタク・イン・USA 愛と誤解のAnime輸入史     パトリック・マシアス/著 町山智浩/訳
ちくま学芸文庫     20130710     数とは何かそして何であるべきか     リヒャルト・デデキント/著 渕野 昌/訳
ちくま学芸文庫     20130710     哲学ファンタジー パズル・パラドックス・ロジック     レイモンド・スマリヤン/著 高橋昌一郎/訳
創元推理文庫     20130711     折れた竜骨 上     米澤穂信/著      
創元推理文庫     20130711     折れた竜骨 下     米澤穂信
創元推理文庫     20130727     零 人 大坪砂男全集 4     大坪砂男/著 日下三蔵/編      
創元推理文庫     20130727     背表紙は歌う     大崎 梢/著      
創元SF文庫     20130720     時を生きる種族 ファンタスティック時間SF傑作選     R・F・ヤング/著 R・A・ハインライン/他著 中村 融/編
ハヤカワ文庫SF     20130724     クラーケン 上     チャイナ・ミエヴィル/著 日暮雅通/訳      
ハヤカワ文庫SF     20130724     クラーケン 下     チャイナ・ミエヴィル/著 日暮雅通/訳
ハヤカワ文庫JA     20130710     リライト     法条 遥/著      
ハヤカワ文庫JA     20130710     リビジョン     法条 遥/著      
ハヤカワ文庫JA     20130724     KNOW (仮)     野﨑まど/著
双葉文庫     20130711     さよなら、ジンジャー・エンジェル     新城カズマ/著
双葉文庫     20130711     十三回忌     小島正樹/著      
双葉文庫     20130711     1gの巨人     大山尚利/著      
双葉文庫     20130711     恋 茜     草凪 優/他著
文春文庫     20130710     月と蟹     道尾秀介/著


いーすとのーす・しっくすそうるずかーにばりゅ

<
明日明後日は東北六魂祭ですんで。宣伝しときます。こんな直前に(笑

いよいよ福島で開催です。僕も休日出勤です。ねぶたに出ます(嘘

駐車場係です。虚無員はツライヨ!

んで、祭りの舞台は我が職場。いよッ、市庁舎!

空飛べる人とか、僕とおなじ空気を吸いたい人とか、ヒマ人の人は、ちょっと顔だしに来てみてください。



こんな感じで、心休まる日々もなく、趣味はまだまだおあずけです。がっでむ。


更新情報

25.5.5 新装開店大セール中

プロフィール

HN:r0bot21th
年齢:36
性別:男性
職業:虚無員



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